GM会長は「北朝鮮リスク」で生産拠点移転を示唆
「北朝鮮リスク」の影響を受けるのは中小企業だけではない。
米ゼネラル・モーターズ(GM)のダニエル・アカーソン会長兼最高経営責任者(CEO)は4月4日、米経済専門局CNBCの番組で、
「朝鮮半島での緊張が高まれば、生産拠点の移転を検討することがあり得るか」
と聞かれ、「妥当だ」と答えた。GMは韓国に5か所の生産拠点を持っており、約1万7000人が勤務している。会長の発言は、
「世界的企業のトップが北朝鮮リスクを理由に韓国からの生産拠点移転の可能性に言及したのは初めて」(朝鮮日報)
と報じられ、韓国経済への影響を懸念する声が高まった。
例えば朝鮮日報は、4月10日の論説記事で、
「それ(GM会長の発言)によって、韓国経済や株式市場も動揺している。一方、北朝鮮はさらに勢いを増し、米国経済は好調を見せている。対北朝鮮強硬論では自他共に認める存在の日本も順調だ」
と明らかに焦りを見せた。
東亜日報も4月8日の社説でGMの会長発言を取り上げてしており、
「危機を解消し経済的被害を阻止できるなら、対話に出なければならない。しかし、北朝鮮に『脅迫が通じる』と思わせてはならない」
とジレンマをあらわにしている。
このような経済界からの有形無形の要請で、韓国政府も対話路線に踏み出さざるを得なくなったようだ。