北朝鮮の金正恩第1書記が2013年4月11日、就任1周年を迎えた。数日中にも「祝砲」とも言える形でミサイルを発射するとみられる中、北朝鮮が日本の具体的な都市名を挙げて警告するなど、威嚇を強めている。
また、朝鮮労働党の機関紙にあたる労働新聞の4月11日の社説では、
「過去1年の間に、通常の政治家が数年、数十年をかけても成すことができない巨大な業績を重ねた」
「今日の世界政治の舞台の中心には、敬愛する金正恩同志がしっかりと立っておられる」
と、金正恩氏の功績を称え、このところの挑発的な言動で世界の目が北朝鮮と正恩氏に集まっていることに陶酔するかのような一面も見せている。
「日本の戦争遂行能力が一撃で消滅する可能性」に言及
北朝鮮メディアは連日のように米国や韓国に対する敵対姿勢を強めている。日本も例外ではない。労働新聞は3月31日の段階で「横須賀、三沢、沖縄、」といった在日米軍基地を名指しした上で、「われわれの射撃圏内にある」と宣言。4月10日には
「対朝鮮敵視策動が日本にもたらすのは破滅だけだ」
と題した論説を掲載し、「日本領土を米帝の朝鮮侵略拠点として提供している」ことを根拠に、
「日本の反動層は、朝鮮再侵略の機会を逃そうとしていない」
と主張。その上で、
「日本の主要都市である東京、大阪、横浜、名古屋、京都は日本の人口の3分の1以上が住んでいる」
と日本の都市機能の大半が一部都市に集中していることから
「日本の戦争遂行能力が一撃で消滅する可能性を抱えている」
とも分析。きわめて強い調子で日本への攻撃姿勢を示した。
「過去の朝鮮戦争の時、私たちは、日本の侵略基地を報復攻撃する能力がなかった。しかし、今、我々人民軍は、日本はもちろん、アジア太平洋地域の米帝侵略軍基地をたちまち撃破してしまう報復能力を十分に持っている」
広島と長崎への原爆投下を念頭に置いた記述もあり、被爆者からの批判も出そうだ。
「日本の地には、数多くの米軍の核基地と原子力関連施設、軍事施設が点在している。日本は1940年代に受けた核の惨禍とは対比できない、途方もない災難を受けることを避けることができない」