「月額90万円!あなたの情熱で宮崎県日南市の商店街を活性化!」――宮崎県日南市が2013年4月8日、「テナントミックスサポートマネージャー」の公募を開始した。月給90万円(通勤手当、家賃補助、各種手当て込み)で、市中心街の活性化にとりくむ仕事だ。
空き店舗活用の具体案を求める
応募条件を見ると、性別、年齢、学歴不問といい、採用後は日南市に居住する必要がある。
ネットでは額面にひかれ「月給90万円!?受けたくなるな!」「応募しちゃおうかな 楽しそう!!」「宮崎てドコにあるか知らんが応募しますw」「行きます!」という声が相次いでいる。いったいどんな内容なのだろうか。
「90万円は人目をひくために掲げてはいますが、中身はかなりボリュームがあって大変な仕事です」
日南市経済産業部商工観光課はJ-CASTニュースの取材に対してこう話す。確かに、募集要項を見ると「業務内容」は10項目にわたり、商業活性化のための企画・調査から、関係者との信頼構築・意見調整、そして実施にくわえ、これらに伴う事務作業まで書かれていた。かなりハードといえそうだ。
役所の公募求人にしては異例にも見える「90万円」という額面は、通常こうした業務を委託するコンサルタントなどの日当を参考にしたそうだ。
「コンサルタントにお願いすると、分厚い報告書だけがでてくることもありますので・・・今回は成果を重要視します」(日南市担当者)
とりわけ、空き店舗活用の検討については、4年度で20店舗、単年度で5店舗という数値目標を掲げていて、プランや配置計画をしっかりと立てられ、出店につなげられる人材を求めているそうだ。
こうした仕事をこなすため、業務時間についても「8時半―17時とか、公務員と同じようにはいかないですよね」(同担当者)という。
商店街活性化のための「核となる人材」ほしい
今回、公募に踏み切った背景には、中心街である油津商店街の空き店舗問題がある。これまで対策として、出店した業者に補助金を出すなどしていたが、その期間が終わるとまた出て行き、定着しないという問題があった。店舗を定着させ、商店街の持続的な活性化を図るために、行政と商工会議所の間にたち、銀行の融資などもしっかりサポートが出来るような、「核となる人材」が必要なのだという。
担当者は応募者に対して、「成果ももちろんですが、地域になじんでいただいて、信頼関係や情報収集をしていただきたい」と期待を寄せる。
「いろんな商店街を見ていますとね、やっぱりにぎわっている商店街には核となる人材がいるんですよね」(同担当者)
かなりハードに見える仕事だが、すでに数件応募したいという問い合わせが来ているという。ネットでもこうしたことを踏まえた上で「やってみたい」という人の書き込みも見られる。
日南市では当初、流通関係やテナントリーシングをしてきて、定年まであと5年くらいという人を応募者として想定していた。しかし、若いし経験もないけれどやらせてみせて成果が出るかもしれないということもあり、幅広く応募がくることを期待しているという。
応募は13年5月10日まで受け付けていて、履歴書などの書類のほか、「商店街の活性化に求められること」について1600字のレポート提出が求められる。
応募者へのメッセージとして、担当者は「一緒になって油津の再生をはかりましょう。最後の砦というか、これにかかっていると期待されてますのでね、多くの方に応募してきてほしいです」と力を込めた。