NHK大河ドラマ「八重の桜」の視聴率が2013年4月7日放送の14話は11.7%まで落ち、史上最低だった前作の「平清盛」を抜くのではないか、という推測まで出ている。
「八重の桜」は初回が21.4%と好発進したが、6回が15.3%、10回が12.6%、14回が11.7%と下降の一途を辿った(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。
「マイナーな偉人なんてだれも見向きもしないよ」
「平清盛」は初回が17.3%、14回が13.7%だったから、既に視聴率の落ち幅と現段階の視聴率で「八重の桜」は負けている。
なぜこんな結果になってしまったのか。ネットでは様々な議論が交わされている。
「マイナーな偉人なんてドラマにしても、だれも見向きもしないよ」
「長州は許せんとか公共放送で聞かされるんだぜ?うちのおばあちゃんが泣きそうな表情で見てた・・・」
「ただドラマが見たいだけなのに『お前らも被災者に思いを馳せろ!!』だもんねwwwほんと気持ち悪すぎwwww誰が見てやるかって思うわ」
などといった意見が主流だ。ネット上の意見を要約すると、主人公や舞台となった会津に感情移入が出来ないうえに、主人公はまだこれといった活躍をしていない、東北を応援したいけれども、このドラマは会津藩が悲惨な負け方をする話で、結局ドラマは何を目指しているのかわからない、というものだった。
ただ、ネットの一部では、本気で「八重の桜」は時代考証がしっかり出来ている非常によく出来た作品であり、面白い、と絶賛の声をあげている人もいる。
「自分がこれまで観てきた大河ドラマの中では最高の作品のような気がする」
「ムチャクチャ面白い。本気で思うけど、今年ばかりは観ないと損するぞ」
などという書き込みもある。
「一般の人にとっては複雑で迷路に入っている感じがするのではないか」
芸能評論家の肥留間正明さんも同じ感想を抱いている。
「俳優の演技が凄く上手いし、時代背景もよく捉えている。僕個人としてはよく出来ているドラマだと思っている」
NHK大河ドラマの場合は、登場人物の生涯、時代背景、そしてストーリー展開の予想が頭に入っていて視聴し続けるというパターンになる。今回は、会津藩がどのような藩であり、幕末の下級武士はどんな生活をしていたのか、幕末にどんな行動を取ったのか、を理解しないままの視聴者が多く、それが影響した、と分析している。
視聴率が落ちた原因はNHK側にもある。
「歴史を知っている人には分かるし、良く出来ているとは思うが、マニアの世界に入ってしまい、一般の人にとっては複雑で迷路に入っている感じがするのではないか」
としている。
ただ、視聴率は、今が底でこれからは上昇していく可能性が高いとみる。会津藩の戦いが始まる前半のクライマックスを迎えるからで、ストーリー的にも分かりやすくなっていくはずだという。はたしてそうなるのかどうか。