主に日本の学生の間で、「マカンコウサッポウ」なる写真が大流行している。
簡単なトリック写真なのだが「面白い」として海外でも話題になり、米国では日本での流行を機に「写真コンテスト」の開催も決まった。
本来の「魔貫光殺砲」とは異なるポーズだが…
流行の発端となったのは、ある女子高校生が2013年3月25日にツイッターで投稿した写真と見られる。
「マカンコウサッポウ!!!!!」という文章とともに、中心にいる生徒が両手両足を広げ、その周りで十数人の生徒がジャンプし、中心の生徒の力で吹っ飛ばされているかのように見える写真を投稿した。
そのツイートが2万回以上リツイートされかなりの話題になり、同じポーズで撮った写真をツイッターに投稿する人が急増した。学生がクラスメートや部活の仲間らと撮影した写真が、毎日のように何件もタイムライン上に流れている。中心にいる人が地面に拳を突き刺し、もう片方の拳を天に向けて高く上げるというバージョンも見られる。
「マカンコウサッポウ」とは、漫画「ドラゴンボール」の登場キャラクター・ピッコロが使う「魔貫光殺砲」のことと思われるが、本来は片手の2本の指に集めた気を超高速のらせん状の光線として発射し、相手の体を貫くという技で、流行している「マカンコウサッポウ写真」のポーズとは異なる。「それマカンコウサッポウじゃない」「違和感だらけ」「何と勘違いしているんだ?」などの突っ込みもあるが、多くの人は本来の意味などを気にせず「面白そう、やってみたい」「魔貫光殺砲と流行っているマカンコウサッポウは別物」という気持ちで挑戦、写真を投稿しているようだ。
そのほか、同じくドラゴンボールに登場する孫悟空の得意技として知られる、両手を相手に向けて気功波を放つ「かめはめ波」のトリック写真も多数投稿されている。
英国の有力タブロイド紙で「新たな流行」として紹介
英国の有力タブロイド紙「デイリー・メール」の電子版では13年4月2日、「日本の学生が奇妙なドラゴンボールの技を実行する自分たちを撮影する、新たなインターネット上の流行が見られる」という記事で、学生たちがインターネット上にアップした「マカンコウサッポウ写真」や「かめはめ波写真」をいくつか掲載している。
さらに米カプコンがこの写真の流行を機に「HADOUKEN contest」を行うことを発表した。米国では「マカンコウサッポウ」や「かめはめ波」と同じようなポーズで撮影した写真を「HADOUKEN」としてインターネット上に投稿するのが流行し始めている。「HADOUKEN」とはカプコンのゲームソフト「ストリートファイター」に出てくる「波動拳」という技のことで、かめはめ波によく似ている。
自身で撮影した「HADOUKEN」写真を指定のメールアドレスに送り、上位に選ばれると、ストリートファイターの歴代ゲームやサウンドトラックCDがセットになった「Street Fighter Anniversary Box Set」がプレゼントされる。