フジテレビが放送した「ボーカロイド歌謡祭2013(春)」が不評だ。歌謡祭とは名ばかりで人気ランキングが中心のうえ、メインタイトルの綴りを最後まで「VOCALOIDO」と誤って表記、登場したキャラのCGがしょぼいなど、「突っ込み所が満載だった」などとネットで非難されている。
「ボーカロイド歌謡祭2013(春)~初音ミク から生まれた新たな音楽の世界~」はフジが2013年4月6日深夜に放送した1時間番組。
「歌謡祭」なのに人気ランキングの発表が中心
ボーカロイド(VOCALOID)とはヤマハが開発した音声合成技術で、パソコン用ソフトを起動して音符や歌詞や打ち込むとまるで人間が歌っているように表現できる仕組み。日本ではクリプトン・フューチャー・メディアが製品化し「初音ミク」などのバーチャルアイドルが誕生し、動画投稿サイト「ニコニコ動画」ではおびただしい数の楽曲やキャラを使ったアニメーションが発表されている。また、セガによって立体CG動画が制作され、この立体動画を使ったコンサートが日本だけでなく欧米やアジア諸国で開催され大人気を博している。
今回の番組でフジは「地上波初のボーカロイド歌謡祭」を謳い、インターネットとテレビのコラボになるとPRしてきた。ただし、ネットでは、フジはネットを敵視してきたはずなのに「今更なに擦り寄ってきてんだ??」など声が挙がっていた。
番組に登場したボカロキャラはミクのほか、神威がくぽ、IA、GUMIが登場、歌を披露したのだが、突っ込み所が満載の番組だった、として騒ぎになった。まず、番組名であるにもかかわらず、「VOCALOID」の表記を間違え最後まで「VOCALOIDO」と紹介していたこと。
「歌謡祭」なのに歌が少なく、前半と後半に紹介した人気ランキングが突出して目立ってしまった、などが報告された。
カルチャーを知らないスタッフが作った低予算番組?
キャラが歌う様子の立体CG動画も、しょぼい作りだとして話題に。「首が落ちそうになっている」「キャラの足元に付けた影が、バックの人間ダンサーの影と方向が逆」などという指摘が。ミクのCGにも「これ誰?」という不満も出ていたが、なぜか番組の最後には、セガがコンサート用に制作したと思われる非常にクオリティーの高いミクが登場。「なぜ初めからこれを使わないのか」という不満の声が出ていた。
こうなってしまったのは、ボーカロイドカルチャーに疎い製作スタッフが低予算で番組を作ったことが原因だろうという見方が大半だ。一方で、これだけ突っ込み所満載の番組だったため、非常に楽しむことができて「大満足だった」と皮肉な評価をする人もいた。