愛称は「クロトン」、デフレの責任は「日銀にある」が持論
そもそも、黒田総裁とはどんな人物なのだろう――。
生まれは福岡県大牟田市の68歳。報道によると、愛称は「クロトン」。議論などに熱が入ると止まらなくなるほどの、おしゃべりという。
東京大学法学部在学中に司法試験合格。大蔵省(現・財務相)に入省した後、英オックスフォード大学に留学し、経済学を学んだ。同省では本流とされる主計畑ではなく、主に主税畑と国際金融畑でキャリアを積んだ。1999年から退官するまでの、異例の3年半にわたって財務官を務め、金融政策にも精通する。
学究肌の官僚で哲学書なども読みこなし、著書も多い。退官後には一橋大学大学院教授を経て、2005年にアジア開発銀行(ADB)総裁に就任。約8年間、ADBの本部のあるフィリピンのマニラで暮らした。抜群の英語力で、海外人脈も豊富という。
日銀の金融緩和姿勢には財務省時代から批判的で、財務官だった02年には、英フィナンシャル・タイムズに「日銀は物価上昇率の目標を設定すべき」との論文を寄稿。また、円高対策として為替介入にも積極的だった。
その間、日本が15年にわたりデフレに陥っているのは「日銀の責任」と、言い続けてきたこともある。