診断方法の進歩によりADHDが見逃されなくなった?
それにしても、米国の子どもがADHDと診断されている割合は大きいように思える。米国の医療事情を取材した経験を持つ都内の専門記者に聞くと、「あながち突飛な数字ではないかもしれません」と話す。診断方法の進歩により、かつては見逃されていたケースがADHDだと判別できるようになった結果、該当する人が増えたのではないかとの見方だ。実際に米国では、患者の支援組織などが今回のCDCの調査結果に、「割合が高まったのはADHDの認知度が広がり、受け入れられてきた証拠だ」と歓迎しているという。
これに対して、過去20年間ADHDの研究に携わる米フロリダ国際大学のジェームス・スワンソン教授はNYタイムズに「高校男子の5人に1人がADHDとは信じられない」と語る。実際はADHDでない子どもが向精神薬による治療を施されているとしたら、そのうちの何割かは薬の副作用の影響を被る恐れがあると懸念する。