自民党の「一人勝ち」の様相が、さらに色濃くなってきた。民主党は離党の動きに歯止めがかからない上、みんなの党はトップ2人のすきま風が隠せない。
日本維新の会も、石原慎太郎代表がインタビューで「軍事国家を目指す」と独自の主張を展開し、橋下徹代表と微妙に食い違っている。もはや、野党は総崩れの様相だ。
渡部恒三氏、野田前首相を「国賊」と罵倒
離党者が続く民主党は、4月4日夜、参院選に向けて結束を強めるために執行部と閣僚経験者が会合を開いた。細野豪志幹事長や菅直人元首相は出席したが、衆院解散を決めた野田佳彦元首相や前原誠司元外相は欠席。「結束」にはほど遠い状況で、会合後に渡部恒三元衆院副議長が、
「(二大政党制を)たったひとりの独断で壊しちゃった。だから国賊でしょう」
と野田前首相を強く非難する有様だ。
また、これに先立つ同日夕方の記者会見では、海江田万里代表が
「心の平静を取り戻す意味で写経した」
と述べ、平野達男前復興相が民主党に離党届を提出したことに対する憤りを収めるのに懸命だ。
日本維新の会も分裂含みだ。橋下徹代表は軍事・外交については「安全運転」を続けているが、石原慎太郎代表は4月5日の朝日新聞のインタビューで、
「日本は強力な軍事国家、技術国家になるべきだ。国家の発言力をバックアップするのは軍事力であり経済力だ。経済を蘇生させるには防衛産業は一番いい。核武装を議論することもこれからの選択肢だ」
と踏み込んだ発言をしており、温度差が浮き彫りになっている。