国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、脳情報研究所・神経情報学研究室の神谷之康(かみたにゆきやす)室長らのグループが、睡眠中のヒトの脳活動パターンから見ている夢の内容を解読することに成功した。論文は、2013年4 月4 日(米国東部時間)付けのサイエンス・オンラインに掲載された。
機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置を用いて、寝ている間の脳活動を計測し、起こして直前の夢の内容を言葉で報告させることを繰り返した。
そのデータから、「本」「クルマ」など、約20 の物体が登場しているかどうかを脳活動パターンから予測するパターン認識アルゴリズムを作成。睡眠中の脳活動を解析することで、夢に現れているものを高い精度で解読することに成功した。
また、夢を見ている時には、画像を見ている時と共通する脳活動パターンが生じていることがわかったという。
今後、この手法が心理状態の可視化に応用され、想像・幻覚などを解読することによって精神疾患の診断に貢献することが期待されるという。