OB会は無視できても、選手の「蜂起」は放っておけない
OB会の力は及ばず、と判断した選手たちが春のリーグ戦前に自分たちで決着をつける、との意思で勝負に出たわけである。一つ間違えば4年生の進路に響くリスクを承知しての行動だった。学校側は外部の親睦団体であるOB会と違い、学生の抗議となると放っておくことはできなかった。結局、総長はじめ金光監督を支持してきた学校幹部は、騒動の膨張化、勝算なし、と判断、監督に責任を負わせる形で処分したことになる。前監督となった金光氏は4日夜、合宿の荷物を片づけたという。孤独の敗退である。わずか24時間の出来事だった。
今、社会問題になっている「スポーツと体罰」に関連する法大監督問題。今回の選手側の成功は今後、パワハラなどを抱える他の学校にも影響するだろう。選手が一致団結して行動すれば改革できることを示したといえる。
選手が監督を辞任に追い込む例はほとんどない。ましてや伝統校である。今後おそらく、法大野球部には指導者交代ノウハウの教えを乞う質問がくるだろう。(スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)