26社が48種の新技術を提供
シム・セルは全長4840ミリ、全幅1830ミリ、全高1400ミリと大柄だが、カーボン繊維などを積極的に採用し、車重は1580キロとEVとしては比較的軽い。最高出力は260kW、最大トルクは3400Nmだ。0→100キロ加速で4.2秒を実現しているのは、高トルクのインホイールモーターが武器となっているのは言うまでもない。
シム・セルの開発には宇部興産、NTN、スタンレー電気、積水ハウス、ダイキン工業、デンソー、東京エレクトロン・デバイス、日本発条、フジクラ、三井不動産、三菱電機、横浜ゴム、リチウムエナジージャパンなど、電機から住宅まで幅広くEVに関連する企業26社が参加し、48種類の技術を新たに提供した。停車時にインバーターからの出力を停止させ、消費電力を少なくする技術は、ガソリンエンジンのアイドリングストップに相当するもので、航続距離を20キロ伸ばすことに成功したという。このほか、これまでの第1号、第2号の試作車の開発に参加した企業の技術(26種類)を合わせると、74種類の民間技術が生かされているという。
シムドライブ社はシム・セルに続く第4号の試作車も開発するという。これには沖電気、カルソニックカンセイ、新日鉄住金化学、堀場製作所、三菱レイヨン、リコーなど14社が参加する。開発期間は約1年とされ、量産化に向けたさらなる技術革新やコストダウンが期待されている。