電気自動車(EV)の研究・開発を行うベンチャー企業「シムドライブ」が第3番目となる先行開発モデル「シム・セル」を発表した。
シム・セルの開発にはEVビジネスへの参入を目指す電機メーカー、自動車部品メーカー、住宅メーカーなど26社が参画し、2015年ごろの量産化を目指しているという。
世界最高レベルの効率を達成
試作車は2人乗りだが、1回のフル充電で走る航続距離は324キロ(JC08モード)と「世界最高レベルの効率を達成した」(同社)という。日産リーフ(228㌔)を上回る航続距離だけでなく、停止状態から時速100キロまでの加速(0→100キロ)が4.2秒と、ポルシェ並みの俊足を誇るのがシム・セルの特徴だ。
シムドライブは慶応義塾大学環境情報学部教授の清水浩氏が社長を務め、車輪(ホイール)の中に駆動力となるモーターを備える「インホイールモーター」をEV開発の基盤技術としている。清水氏はこれまでに8輪(8モーター8WD)の試作車「エリーカ(Eliica)」を慶大と開発し、その圧倒的な加速力が話題を呼んだ。今回のシム・セルは「エリーカの加速感を4輪(4モーター4WD)で実現した」という。
4輪に駆動モーターを備えるインホイールモーターは加速に優れるほか、トルク配分を4輪で最適制御することで、優れた操縦安定性を実現できる。