頭や腹を刃物のようなもので切られる 多発する猫の連続残酷死、「犯人」はアライグマか?

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米で猫10匹殺害、シェパードに噛み付いた事例も

   アライグマは北米原産で、基本は水辺近くの森林に生息しているが、人家の近くにも平然と出没するなど色々な環境に適応している。大きいものは頭から胴体で60センチ、しっぽは40センチ、体重は10数キロになる。

   日本では1962年、日本モンキーセンター(愛知・犬山市)で飼育されていたアライグマの脱走がきっかけで野生化した。環境省が2007年に発表した自然環境保全基礎調査の結果によると、全国36都道府県で分布が確認されている。農作物を荒らすなどの被害があり、現在各地でアライグマ出没の注意喚起がなされている。

   (13年4月5日追記:1962年に同センターから脱走したのはオス2匹で、その2匹を捕まえて独自に飼育した民間人がメスを手に入れて40数頭まで増やし、引っ越す際に手放して行ったのが野生化のきっかけとなった。今回の兵庫県の事件と日本モンキーセンターは直接の関係はない。)

   加古川市、高砂市の事件が「アライグマの犯行」かは不明だが、アライグマの生息実態調査を行っている「関西野生生物研究所」代表の川道美枝子氏によると、「アライグマがネコやハトを襲うことは事実」だという。

   大阪・豊中市では11年8月、野良猫がアライグマに襲われて死んだと見られる事件があった。千葉県では04年の元日、住宅街でアライグマが猫を襲っていると警察に連絡が入った。この時は駆けつけたレスキュー隊によって事なきを得たようだ。

   CNNでも06年8月、米ワシントン州で野生のアライグマが凶暴化し、猫10匹が殺されたという報道があったほか、動物園で飼育されているアライグマがハトを襲っている様子を撮影したYouTube動画もある。

   川道氏が行った聞き取り調査でも、大型犬のシェパードを含む飼い犬が噛まれたという報告があったそうだ。ほかにもつばめのひなや野うさぎ、カメを襲ったり食べたりしたなどの例があるそうで、「基本は小動物を食べているようですが、チャンスがあれば何でも食べるのがアライグマです」とのことだ。

   なお、こちらは「動物の犯行による可能性は低い」(広島県警生活環境課)とのことだが、広島・呉市でも12年3月から13年4月にかけて切断された猫の死骸が相次いで発見されており、現在総力を挙げて昼夜捜査しているとのことだ。どちらの事件も早急な解決が望まれる。

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