北朝鮮の挑発行為が、韓国のマーケットにも暗い影を落とし始めた。対ドルでウォン安が進行し、株価も低迷している。これまでにも、北朝鮮が原因で株価が落ち込むことはあったが、単発的なもので終わっていた。
ところが今回は緊張状態が長く続いていることから、さらに悪影響がでることを懸念する声も出ている。
アナリスト「最近は危機感が助長され、影響が長く続いている」
総合株価指数(KOSPI)の2013年4月4日の終値は前日より23.77ポイント(1.199%)低い1959.45で、12年11月以来の大きな下げ幅となった。この背景には、外国人が韓国株の売りを強めていることがあるとみられ、韓国の聯合ニュースは、
「北朝鮮リスクが以前は単発的なもので終わったが、最近は危機感が助長され、影響が長く続いている」
というアナリストの声を伝えている。
北朝鮮は13年3月11日以降、朝鮮戦争の休戦協定の一方的な白紙化を宣言し、緊張状態が続いている。4月3日には、米政府が北朝鮮側の動きに対抗する形で、近くグアムミサイル防衛システムを配備すると発表したのに加えて、開城工業団地に韓国側従業員の立ち入りができなくなった。4月4日には、朝鮮人民軍総参謀部のスポークスマンが
「朝鮮革命武力の無慈悲な作戦が最終的に検討、批准された状態にあるということを正式にホワイトハウスとペンタゴンに通告する」
と近々武力行使に踏み切る可能性を示唆してもいる。ここ数日のこうした動きも、外国人投資家の不安感に拍車をかけている模様だ。
それ以外にも、現代自動車と傘下の起亜自動車が米国で187万台の大規模リコールを余儀なくされたことが悪影響として受け止められている。
影響は、為替市場にも及んでいる。対ドルの為替レートの終値は前日よりも0.5ポイントウォン安ドル高の、1ドル=1123.71ウォンで、一時期は1125.50ウォンまでウォンが売られた。12年9月以来のウォン安で、ここ3か月ではドルはウォンに対して5.3%下がっている。