国際的ハッカー集団「アノニマス」を名乗るインターネット利用者が北朝鮮関連サイトにサイバー攻撃を行ったと宣言するなか、2013年4月4日午後、北朝鮮関連サイトのトップページが相次いで書き換えられる被害が確認された。
金正恩第1書記をブタに似せて描いた画像が掲載されたサイトも複数確認されている。攻撃対象のサイトは拡大している。
ツイッターやフリッカーのアカウントも乗っ取られる
最初に異常が明らかになったのは、北朝鮮の祖国平和統一委員会が運営する対外宣伝サイト「我が民族同士」が運用しているツイッターのアカウントだ。普段は、サイトに掲載された記事の内容をツイートするだけのアカウントだが、14時45分(日本時間)に突然、サイトのURLとともに「Hacked」(侵入完了)と書き込まれた。ツイッターのアカウントを何物かが乗っ取った上で、自らが攻撃を加えたサイトのURLを書き込んだ模様だ。ツイートは続々と書き込まれており、北朝鮮関連サイトへの攻撃が拡大していることが分かる。
「反帝民族民主戦線」と「私たちの民族講堂」のウェブサイトのトップページは、西遊記の猪八戒のイラストに金正恩氏を合成した画像に書き換えられた。正恩氏の腹部にはミッキーマウスが描かれ、ミッキーマウス好きを揶揄している。
この画像には、「100万ドル」という指名手配の報奨金の金額とともに、
「大陸間弾道ミサイルと核兵器で世界の平和を脅かしている。人民が餓死している傍らで金銭を浪費している。強制収容所と世界最悪の人権侵害」
と、政権批判のメッセージも添えられている。
アノニマスを象徴する覆面の画像も
また、民族和解協議会「光明」のトップページは、北朝鮮国旗をバックに、覆面の画像に書き換えられた。覆面はアノニマスを象徴するとされ、アノニマスによる犯行を印象付ける狙いがあるとみられる。
それ以外にも、画像投稿サイト「フリッカー」上で「我が民族同士」が運用しているアカウントも乗っ取られた模様で、「TANGO DOWN」という文言とともに、覆面姿の男女が踊る画像がアップロードされている。
ツイッターで攻撃対象として名指しされた「我が民族同士」は、つながらない状態が続いている。