発送電分離が進めば、電気事業者も増える
経済産業省によると、2013年4月1日現在で「特定規模電気事業者」(PPS)に登録している事業者は82社にのぼる。この1年で29社も増えた。
その背景には、「電力の自由化をにらんだ対応と、実際に太陽光発電や風力発電などによる電力の全量買い取り制度が始まったこと」(電力市場整備課)がある。
日本卸電力取引所(JEPX)の会員数も3月31日現在で60社。JEPXは、「最近は申請手続きをはじめ、さまざまな問合せが相次いでいます」と話す。
問い合わせが増えているのは、電力の「発送電分離」が進めみそうだからだ。
政府は4月2日、電力小売りの全面自由化や発送電分離を盛り込んだ「電力システム改革」の方針を閣議決定した。経産省によると、2010年度にJEPXで取引された電力量は56.8億キロワット時と、小売り販売電力量に占める割合はわずか0.6%にすぎない。「壁」になっているのが「発送電分離」だ。
PPSは電力会社に送配電ネットワークの接続料を支払う。電力会社にとってPPSは競争相手でもあるため、接続料を高くすれば、PPSが企業向けに販売する電力の単価は下げにくくなる。
そのため「発送電分離」の問題が解決に向かえば、電気事業者間の公平性が高まり、トヨタや日産のような電力事業への新規参入者が増えるというわけだ。