国際的ハッカー集団「アノニマス」を名乗るインターネットの利用者が、北朝鮮の対外宣伝用ウェブサイトにサイバー攻撃を行い、利用者のデータを盗み出したとする犯行声明を発表した。
この声明の内容はかなり大胆で、北朝鮮の国内向けネットワーク(イントラネット)に侵入したと主張。イントラネットはインターネットと切り離されていると考えられており、主張の信憑性に疑問を唱える声も出ている。
ツイッターで北朝鮮サイトへの攻撃を呼びかける
2013年3月30日には、ツイッターの「#OpNorthKorea」というハッシュタグで、朝鮮中央通信社や、国際放送「朝鮮の声」といった北朝鮮関連サイトへの攻撃を呼びかける声が相次いでいた。これらのサイトのサーバーは北朝鮮国内に設置されているが、祖国平和統一委員会が運営する「我が民族同士」のサーバーは中国に置かれている。同サイトも、同様に攻撃の呼びかけの対象に含まれていた。
呼びかけがどの程度影響したかは明らかではないものの、翌3月31日には、北朝鮮関連サイトがつながりにくい状態が続いた。
2日後の4月2日には、この攻撃に関する犯行声明が、ソースコードの投稿サイトに公開された。このサイトは、これまでにもアノニマスが犯行声明を発表するのに利用したことがある。
犯行声明では、「北朝鮮政府は平和と自由への脅威になりつつある」として、(1)核開発をやめること(2)金正恩第1書記が辞任すること(3)北朝鮮に自由な直接民主制を導入すること(4)全ての市民に検閲なしでインターネットへのアクセスを認めること、を北朝鮮政府に対して要求。北朝鮮国民には、政権転覆を目指して蜂起を呼びかけた。
さらに、声明では、「我が民族同士」に登録している利用者のデータ1万5000人分を盗み取ったとも主張。その証拠として、6人分の氏名、生年月日、メールアドレス、暗号化されたパスワードを公開した。