わずかな追加投資で20万円の価値
どこでも手軽にネットを楽しめるのがスマホの利点だが、外出先ではそれで良くても、自宅にいるなら大きな画面の方が見やすいというもの。動画投稿サイト「ユーチューブ」や映画配信サービスなどを、パソコンのように簡単な操作で見られるテレビは「スマートテレビ」と呼ばれ、国内外でソニーやパナソニック、韓国LG電子などが発売しているが、おおむね20万円程度とまだまだ高い。そんななか、1万円以内の新規投資で自宅のテレビを「スマート化」できるのならしてみたい、という需要を当て込む。
NTTドコモは同様のスティック機器を3月1日、8925円で発売。やはりスマホ向けに月額525円で提供している、国内外の映画、テレビドラマなど7000タイトル以上が見放題の「dビデオ」をテレビ画面で見られる。ソフトバンクは、スティック機器は無料だが月額490円の利用料を徴収する形で2月からサービス開始。動画や音楽が利用上限なしで楽しめる「ウーラ」(月額490円)が売りだ。
携帯電話3社の狙いは顧客囲い込みと利用料金徴収にあるが、「動画見放題」で足並みをそろえたことによって、スティックによる「スマートテレビ」の普及が進む可能性も秘めている。これがインターネット動画ビジネスの活況につながれば、コンテンツ制作者には朗報と言えそうだ。