「大胆な金融緩和」直前に株価が下がる アベノミクス「踊り場」なのか

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   2013年度に入って、東京株式市場の日経平均株価は2日続落。しかも4月2日は一時、前日比329円24銭安の1万1805円78銭と、1万1900円を割り込んだ。

   あす3日からは日本銀行の金融政策決定会合が黒田東彦・新総裁のもとで開かれ、いよいよ「大胆な金融緩和」がはじまるはずだったのに、直前に株価は急速に萎んでしまったのはなぜか――。

3週間ぶりに1万2000円台割る

   2013年4月2日は円相場も円高ドル安が進み、約1か月ぶりに1ドル92円台で推移した。米国の経済指標が振るわず、景気が後退するのではないかとの懸念から、円が買われた。3~4日の金融政策決定会合で、日銀が打ち出す見通しの追加の金融緩和策が「期待はずれ」との観測も、円買いを加速させている。

   それもあって、この日の株式市場では自動車や電機、精密機器などの輸出関連株が軒並み下落。鉄鋼株や電力株も売られ、さえなかった。日経平均株価は取引時間中に、約3週間ぶりに1万2000円を割ったものの、終値は前日比131円59銭安の1万2003円43銭と、心理的な節目となる1万2000円台をどうにか保って引けた。

   4月に入っての続落を、松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は、こう説明する。

「キプロス、イタリアなど欧州の債務危機問題がくすぶるなか、投資家がリスク資産(株式)を買う流れを一たん巻き戻しています。1日に日銀が発表した企業短期経済観測調査(短観)も、大企業製造業の景気動向指数(DI)は改善しましたが、事前の市場予想は下回りましたし、中小企業の景況感も引き続き厳しかった。景況感が回復するとみていた市場の期待が一部はげ落ちたことが、売りが優勢となった原因です」

   2012年12月以降の4か月間、「アベノミクス」という、いわば期待だけで急上昇してきた株価。その期待の大きさから、黒田日銀がどのような金融緩和策を打ち出すのか、見極めたいと積極的な買いを控えた投資家は少なくなかったようだ。

   松井証券の窪田氏は、「ここである程度(の株式)利益を確定しておいて、その後にいい銘柄を買おう、という投資家心理が働きました」と話す。

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