上智大学短期大学部のウェブサイトが、突然「ハリボテ」同然の状態になり、人々の失笑を買っている。
同短大部では女子学生へのセクハラを理由に2013年3月27日、高野敏樹前学長(62)が解職されている。このハリボテ化には問題を目立たなせないようにする「逆SEO対策では」との指摘もある。
リンクをクリックしても、一向に表示されない
上智大学短期大学部は、神奈川県秦野市にあるキリスト教系の短期大学だ。高野前学長は前任者の死去を受け、2012年7月以来学長を務めてきた。しかし3月29日、高野前学長が女子学生に対し、1か月あまりの間に携帯メール60通を送りつけるなどのセクシャルハラスメントを行っていたことが発覚したとして、運営法人である上智学院(東京・千代田区)が解職を発表した。
この発表は同短期大学部のウェブサイトにも掲載されたのだが、話題を呼んだのはそのやり方だ。
4月1日現在、同短期大学部のウェブサイトは、トップページに解職のお知らせが掲載されているほかは、一見普段と変わらない。ところが、「上智大学短期大学部について」「学びに関する情報」「入試情報」といったリンクをクリックしても、一向に表示されない。検索用の入力フォームや、外部ページのバナーも同じ状況だ。なぜか、学内用と思われるウェブメールページへのリンクのみはつながる。
いったいどうなっているのか。HTMLのソースを確認すると、実はこのサイトは単なる「ハリボテ」。ウェブページを模した1枚の画像を表示させているだけの状態なのだ。これではリンクがつながるわけもない。
この異様な状態に、ネット上ではさまざまな憶測が飛び交った。特にお詫び文が画像形式となっていることには、「コピー&ペーストで内容が『拡散』することを防ぐためでは」「ウェブ検索に引っかからないようにするためでは」とのうがった見方も飛び出した。もっともそれだけでは、サイト全体が画像化された理由が説明できない。また、系列校の上智大学サイトでは同様の内容がテキスト形式で公開されているため、やや説得力不足の感もある。