NHKを2013年4月1日付で退職した堀潤さん(35)が、市民記者やフリージャーナリストを対象としたクラウドファンディング(ネットを通じた資金調達)事業を立ち上げる。
J-CASTニュースに構想を明らかにしたもので、堀さんが現在運営中の市民ニュースサイト「8bit News」をリニューアルする形で、13年夏のサービス開始を目指す。
取材プランに共感した人が資金を提供
クラウドファンディングは、製品開発やイベント開催などを目指す個人・団体などが、専用のウェブサイトでその構想を紹介、広くネット上のユーザーから資金を募るというサービスだ。近年日本でも注目を集め始め、複数のサービスが立ち上げられている。
堀さんが目指すのは、市民記者やフリーのジャーナリストなどを主な利用者として想定している。取材者側からの、
「○○というテーマについて取材したい」
といった構想に対し、共感した一般のユーザーが資金を提供できるようにする。取材者は資金提供者と取材方針についてやりとりをしながら、協力し合って取材の完成を目指すという。
堀さんが代表を務めるNPO法人「8bit News」が運営主体となる。
出版社やジャーナリストからも賛同取り付ける
すでに準備は始まり、2日から賛同者からの寄付を呼びかける。夏までのスタートを予定している。すでに大手出版社などからの協力や、フリージャーナリストからの賛意も取り付けているという。
堀さんは、
「近年は既存マスメディアも、お金や時間のかかる調査報道から撤退するところが多い。しかし取材費をファンディングという形で市場から集められれば、情報発信のインフラを欲する市民やフリージャーナリストと、インフラはあるが資金がないメディアの橋渡しができるかもしれない」
と語っている。
堀さんはツイッターなどでの発言や、留学先の米UCLAで制作した原発ドキュメンタリー映画の上映問題をめぐりNHKと対立、3月18日に退職届を提出しており、4月以降の活動内容に注目が集まっていた。