「返金されない」「交渉に応じない」ケースが多発
国民生活センターは、「クチコミ」宣伝を書き込む内職商法への相談件数が増えた背景には「ドロップシッピング(商品の発送を商品の卸売りや製造元に委託し、ネットショップ自らが在庫を持たない販売手法で、販売価格と製造元の卸売り価格の差額がネットショップの利益となる仕組み)やアフィリエイト(個人サイトと企業が提携して、その個人サイトを経由して商品が売れた場合に企業から報酬が支払われる仕組み)の市場規模が拡大していることがあります」とみている。「仕事といって書き込んでみたら、ステマ(ステルスマーケティング)だったというケースも報告されています。消費者の儲けたいという気持ちに付け入って勧誘する業者が後を絶ちません」と話す。
安易に契約してしまう消費者は、30歳~40歳が大半を占めている。また、給与所得者が42.8%を占めていて、「手軽に副業になる」との言葉に釣られているようだ。
そうした中で、国民生活センターが頭を痛めているのが、消費者(契約者)が解約を申し出ても、業者の態度が強硬で返金に応じないことが多いこと。勧誘の手口が巧妙になっており、なかには特定商取引法(特商法)の電話勧誘販売や業務提供誘引販売の適用を業者が否定するケースもみられる。
同センターでは、「たとえば商品仕入れ型には、特商法違反に抵触するかどうかを判断しづらいケースがあり、業者が交渉に応じないことがあります。そうなると裁判所か、消費者庁に判断してもらうしかありません」と、対応に苦慮しているようだ。