ハンバーガーチェーン最大手マクドナルドがレジカウンター上の「メニュー表」を廃止して物議をかもしたが、ここにきて「メニュー表が置かれている!」などという報告がネット上に出るようになった。
マックは路線を変更し、復活させたのか、店を訪ねて調べてみた。
後ろに並ぶお客の時間的ストレスを軽減が狙い
マックがカウンター上に置いていたメニュー表を無くしたのは2012年10月からで、お客はカウンターの上にあるボードや、通路に張られたポスターで、商品と値段を確認して注文するというスタイルになった。狙いは、レジ前でメニュー表を見ながら注文に悩むお客がいることによって生じる、後ろに並ぶお客の時間的ストレスを軽減すること。また、原田泳幸社長は、「レジが30秒短縮されれば、売り上げが5%伸びる」と発言していて、売り上げアップにつなげるためだった。
ただし、ネット上の評判はいいとはいえず、
「メニュー撤去って、売る気あんのか?」
「そんな視力検査みたいなこと嫌だよ。メニュー見えないよ」
などといった批判が出て、メニュー表を元に戻してほしい、といった声も多かった。
そうした意見を吸い上げた結果なのか、ここにきて「レジ上に普通にメニュー表が置いてある」などといった報告がネットに出るようになっている。本当に消えたメニューは復活したのだろうか。
「メニュー表を置かないことに変更はありません」
2013年3月29日午後2時から午後3時の間に、JR中央線沿線の駅近くにあるマックの店舗に、行き当たりばったりで行ってみた。新宿駅西口、南口にある2つの店舗に入ったところ、1店目はメニュー表が置かれていた。2店目は、メニュー表は置いていなかったが、カウンター上にフリーで持ち出せるメニューの紙が設置されていた。中野駅でも2店舗に入ったところ、1店舗はメニューがなかったが、もう1店はメニュー表が常設されていた。
カウンター上のメニュー表を廃止したけれども、お客の要望や、注文を悩むお客に対しては、別途メニュー表が用意されていて、逐次それを取り出して提示しているらしい。高円寺駅の店舗では、メニュー表は置かれていなかったが、レジ前で注文を悩んでいるお客に対し、メニュー表を出すべきかどうか迷っているようだった。そのせいか、店員がメニュー表を持ったまま手を上下させている様子が印象的だった。
メニュー表があった2店舗に対して、メニュー表を復活させたのかどうか聞いてみたところ、カウンター上のメニューボードが狭かったり、レジ前の通路が短かくメニューを書いたポスターが見にくい、などの理由から、
「特別にカウンター上にメニュー表を置くことを許可された店です」
ということだった。
マクドナルド広報は、「メニュー表の復活」を完全否定。特別にメニュー表を置くことを許可した店の数も増えていない、と話し、
「これからも今まで通りメニュー表を置かないという路線に変更はありません」
ということだった。