安倍首相に辞任を進言し、再登板も「予言」?
その一方で、池口恵観法主は、小泉純一郎元首相の遠い親せきに当たるといい、自民党などともつながりがあった。
安倍晋三首相とも、親交があったといい、当時の週刊誌報道によると、安倍氏が2007年9月12日に首相を電撃辞任したときも、それを直前に進言していた。そして、「一度禅譲すれば、5年くらい後に、また大きな潮がくる」として、再登板を勧め、実際に安倍氏は、その「予言」通りに首相に返り咲いた。一部夕刊紙では、総連の落札についても、北朝鮮関係の突破口にしたい安倍首相への配慮があるのではないかといった憶測さえ出ていた。
政界との直接の関わりは、池口法主が、建設相も務めた自民党衆院議員の秘書をしていたことがきっかけらしい。鳩山由紀夫元首相らとも親交があるといい、与野党を含め政界に顔が広いことから、「永田町の怪僧」と呼ばれているそうだ。
なぜ池口法主は、思想の左右を問わず、これだけ手広く付き合いを続けているのか。
その点については、マスコミ取材に、敵も味方も平等に接するという思想があると説明しているという。朝鮮総連本部については、民族融和の拠点にとの思いを明らかにしている。
しかし、北朝鮮に利用されたりしていることはないのか。北朝鮮問題に詳しい事情通は、こう指摘する。
「もしもスパイだとしたら、安倍首相も共犯者になってしまうので、それはないでしょう。総連は、拉致などの工作機関とも言われていますが、それは1つの顔ですべてではありません。自民党や外交官などとも交流がありますから、そうすると皆が工作にはまったことになってしまいますからね」
とはいえ、総連も池口法主も、何らかの思惑があってお互いに近づいた可能性があるともみている。