信用に「傷」、懸念される業績への影響
とはいえ、一連のトラブルはGSユアサがこれまで培ってきた電池技術に対する信用を傷つけ、リチウムイオン電池事業の業績悪化につながりかねない。
同社が2013年3月5日に発表した12年4~12月期連結決算によると、売上高は前年同期比5%減の1958億円、純利益は同4%減の55億円だった。三菱自動車向けリチウムイオン電池の伸び悩みなどが要因とされ、車載用リチウムイオン電池事業は14年3月期に営業損益が黒字転換する計画だったが、「黒字化は1~2年ずれ込む」との見通しとしていた。
ボーイング787の発火トラブルでは米当局による原因究明が続いているが、787は運航停止を余儀なくされている。売上高に占める航空機向けのウエートはわずかだが、車載用リチウムイオン電池は成長分野だけに三菱自動車のトラブル解決が長引くと黒字化がさらにずれ込むことになる。
GSユアサは、「ボーイング787も、三菱自動車についても、まずは原因究明が優先です。(信用問題などについて)現在コメントするタイミングにはありません」と話している。