携帯各社、LINE、アマゾンも入り乱れ
モバイル向けのゲーム提供は、アップルやグーグルといったOSメーカー、あるいはGREE、MobageなどのSNSが主役を張っていた。しかしソフトバンクを始め、このところ通信キャリアの巻き返し、また新規参入組の躍進が目立つ。
たとえばNTTドコモは12年12月、独自のゲーム提供サービス「dゲーム」を立ち上げた。キャリアの魅力強化を目指すのはもちろんのこと、ゲームが持つ「国際的な競争力の高さ」にも期待し、海外進出に強い意欲を示す。
「音楽や動画などの場合はニーズが高い現地のミュージシャンやタレントのコンテンツをそろえる必要がありますが、ゲームなら言語などのローカライズさえできれば、そのまま海外に持っていくことができる。26日からは海外初展開として、中国での提供をスタートしました」(ドコモ広報担当者)
通話・メッセージアプリとして急成長を遂げるLINEも「LINE GAME」としてゲーム配信を12年7月に開始、7か月で累計1億ダウンロードを突破した。LINE本体との連携も生かし、独自のプラットフォーム構築を成功させつつある。また通販の雄・アマゾンも12年11月からゲームを含むアプリの日本向け配信を開始、自社製タブレット「Kindle Fire」シリーズとともに売り出す。ともに「ゲーム」を看板に、自社のサービスにユーザーを囲い込む動きが進んでいる。
矢野経済研究所の推計(13年1月)によれば、モバイル向けゲームの代名詞である「ソーシャルゲーム」の13年度の国内市場規模は4200億円に達するとみられ、今後も堅調な市場拡大が見込まれるという。