震災で観測局が壊滅的被害受ける
原因は、情報の「古さ」。確かに線量自体は更新されているが、肝心の計測地点が、震災以前そのままなのだ。
震災前、福島県には24か所の観測局(モニタリングポスト)が設置されていた。ところが震災ではこれらの観測局も壊滅的な被害を受け、うち4局(浪江町の2局、大熊町・富岡町の各1局)が津波で流され、ほかも1局を除き停電で稼動をストップした。その後順次復旧が進んだものの、今なお津波被害の4局、そして電力が届いていない大熊町と楢葉町の計3局が回復できず、また明確な目処も立っていない。
文科省はこうした状況に対応して、新たなモニタリングポストを相次いで設置し、線量表示ページもこれらの新設局を含むものに切り替えた。ところが規制委のページでは、今なお震災前からの計測地点からの情報しか閲覧できない。そのため、文科省のそれに比べ著しく情報が少ない、という状況になっている。
運営する原子力安全技術センターに情報更新の予定を尋ねたが、「我々の一存では……」というばかり。「(文科省など)他のサイトで補完されているので、そちらのほうをご覧いただければ……」と心もとない。