気候が暖かくなって、花粉が飛ぶ季節は部屋を掃除するにも気を遣う。いわゆるアレル物質を残さずきれいに掃除しようとすると、それだけで「ストレス」になりそうだ。
それでなくとも、「掃除は面倒」と感じている主婦は少なくない。できるだけ簡単に、効率よく済ませたいと思う。そんな主婦のため、最近は「お掃除ロボット」の利用が広がり、また従来の掃除道具も面倒な気分を少しでも解消するため、「おしゃれ」になってきているという。
「おそうじブルー」な主婦ほど、道具にこだわる
お掃除の会社ダスキンが実施した「主婦のお掃除実態調査」(サンプル数800)によると、「毎日お掃除をする」主婦は3人に1人(30.9%)。しかし、掃除を「最も重視する」主婦はわずか1.4%で、育児や料理、洗濯などの家事の中では最も優先順位が低くなっている。
その一方で、掃除をやらなければいけない、「義務」と感じている主婦は64.2%と大半を占める。なかでも義務感を抱きながら、掃除することにストレスを感じる41.5%の主婦層を、ダスキンでは「おそうじブルー」と名付けて分析。すると、「おそうじブルー」な主婦ほど、「掃除が好きではない」(62.4%)、「掃除後に疲労感を強く感じる」(68.7%)ことがわかった。
また、そんな「おそうじブルー」な主婦ほど、「時間をかけずに手早く掃除したい」(94.2%)、「使いやすい道具を選びたい」(59.0%)と思っている、との傾向も浮かび上がった。掃除をするのは「家族の健康のために」(82.5%)との思いも人一倍強いようだ。
毎日の掃除を、なんとかモチベーションをアップして取り組みたいという主婦に、最近人気なのが「おしゃれ」な掃除道具。
ちなみに、「おそうじブルー」な主婦の63.6%がお掃除気分を上げるため、「簡単にきれいになる便利な掃除道具を使う」と答え、18.1%が「デザインやカラーにすぐれた自分のお気に入りの掃除道具を使う」と答えていて、さらに使いやすい道具を選ぶことで「家族が積極的に掃除を分担してくれる」きっかけになると考えている。
ダスキンでは従来品よりもデザイン性を高めた、新しい家庭用モップ「スタイルフロア ララ」が好評。「見た目」から気分を盛り上げてもらおうと、スタイリッシュなデザインでケース付きなのでリビングにそのまま置けるようにした。
いつでもサッと取り出せて使えるようになったことや、軽くて使い勝手がよいので高齢者や子どもでも使えて、「手伝ってくれるようになる」ことも主婦にはうれしいようだ。
埃の中のダニや花粉などのアレル物質の活動を約96%抑制するほか、ヘッドが細く家具などの隙間の埃もとれるなど、機能も高めた。
ニトムズの粘着式カーペットクリーナー「コロコロ」も、便利なお掃除グッズの定番。マルチタイプにカーペット用やフローリング・タタミ用、ペットの抜け毛を処理する小さくカラフルなペット用もあり、手軽さが人気だ。
自分と掃除道具にも「相性」がある
最近は「できるだけ省力化したい」とのニーズから、「お掃除ロボット」も注目されている。米アイロボット社の「ルンバ」やシャープの「COCOROBO」などのロボットタイプの掃除機がそれだ。これなら他の家事をしながら、掃除できる。
家電の販売動向を調査するジーエフケー・マーケティングサービス・ジャパンによると、2012年の「お掃除ロボット」市場は、家事の負担軽減ニーズや大手家電メーカーの参入などで前年に続き好調に推移。数量ベースで前年比56%増となった。
住宅ライターでコラムニストの藤原千秋さんは、「床材や建具、サッシなどが改良されていくなかで、必ずしも古くからの掃除法が合理的で正しいとはいえなくなっています。逆に、新しい掃除道具がいつもよいわけでもありません。住まいと掃除道具、自分と掃除道具との『相性』を意識しながら掃除の仕方を見直してみると、もっとラクな方法や家族みんなが掃除に参加できる、使いやすい道具があるかもしれません」と話している。