今回だけが特別ではない?
他方、こうした水位の低下を受けて、ネットの一部では「関東大震災の前兆か?富士山噴火の前兆の可能性も」などと騒がれている。
その根拠は「3月1日から4日にかけて水位が6m急激に下がった」とする画像が出回っていること、そして「富士五湖のうち、河口湖だけが水位が低下しているらしい」ということだ。
これらについて県担当者に話をきくと、「急激な水位の低下」については、「そういったことはないですね。ネットで数値を公開しているのですが、河口湖の計測器に不具合が出ていて、現在は公開をやめています。3月頭に機器を補修した時に、変な数字が一瞬表示されていたんです。それをご覧になったのでは」。
また、「河口湖だけが水位低下している」のは、「冬場なので(水位は)全体的に下がり気味ではあります。河口湖ほどではないですが」と話し、以前に水位が低下したときにも、「似たような下がり方だったと思う」という。つまり、今回だけが特別と言うことはないようだ。
気象庁や専門家も、水位の低下が直接地震や噴火につながることはないという見方を示している。FNN(フジテレビ)の取材に対して、東京大学の笠原順三名誉教授は「富士山直下の地震が急に増えているという現象もないので、直接、すぐに噴火というのは、心配しなくてよいのでは」「現在、富士山の北北西の方で、微動や傾斜変動があるんですが。例えば、河口湖の湖底に割れ目が 入り、水が(地下に)流れることがあるかもしれないが、傾斜変動や微動が直接、河口湖の湖面の低下に関係があるともないともはっきり言えない」と話していた。