NHK堀潤アナ「脱原発」で退職 上司と「最後の談判」つぶやいていた

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「早速、今は渋谷に向かっています。これから上司達と面談です。今日、予定していた番組打ち合わせや週明けの収録がキャンセルになったので、じっくり向かい合って話してきます」

   NHKの堀潤アナウンサー(35)がこうつぶやいたのは、留学中の米国から戻ってきた直後、2013年3月16日午前のことだった。のちに判明するが、この2日後に堀アナは退職届を提出、NHKを去ることを正式に決める。

「きょうの料理」での復帰突如白紙に

   堀アナといえば、「ニュースウオッチ9」リポーター、「Bizスポ」総合司会などを務め、お茶の間にもよく知られた人気アナの一人だ。2012年3月からは米カリフォルニア大学ロサンゼルス校に1年間留学、この4月に帰国してからは、長寿料理番組「きょうの料理」(Eテレ)と、美容番組「女神ビジュアル」(BSプレミアム)を担当する予定だった。

   一方で堀アナは東日本大震災以来ツイッターを通じ、主に原発に批判的な立場から活発な発言を続けていた。フォロワーは一時最大10万人を数え、拙速な原発再稼動への批判、

「国や組織に期待してはだめだ。もうだめだ。僕らで動こう。僕らで考えよう。僕らでこの国を変えよう。だって、僕らの国なんだからさ」(11年12月)

など、NHKアナとしては異例のかなり踏み込んだ発言も少なくない。そのため、春からの復帰先がいわば畑違いの「きょうの料理」だったことには、ネットを中心に「報道部門から遠ざけられた」と見る人も相次いだ。

   そしてこの3月に入り、両者の関係は決定的に悪化する。

   堀アナは留学期間を利用し、UCLAでドキュメンタリー映画「変身」を制作していた。福島やスリーマイルなどの原発事故を追った内容で、3日に堀アナが完成を発表、UCLA内で上映されたほか、ロサンゼルス市内での市民向け上映会も予定されていた。

   ところがNHKは、堀アナに対して上映の中止を指示した。NHK広報部は「映画の内容を理由に、中止を求めたものではありません」としているが、堀アナは3月11日、中止の理由は映画の政治性だとして、ツイートに憤りを滲ませた。

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