「原発回帰」安倍政権 再稼働の行方(8)
国会でも与党でも「タブー」になっている  脱原発と日米原子力協定の関係

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関電出身・民主議員「原子力路線を放棄してしまうことが本当にいいのだろうか」

   実は、この日米原子力協定、共産党が過去の政府のエネルギー政策を批判するときに「日米原子力協定と電源3法の下で安全神話を作り上げ~」といった枕詞として使う時以外は、震災後もほとんど国会では議論されてこなかった。数少ない例外が、「原発稼働ゼロ」が打ち出される1年ほど前の、11年8月25日の参院経済産業委員会でのやりとりだ。藤原正司参院議員(比例、関西電力労組出身)が、高速増殖炉(FBR)サイクルの活用について質問する中で、

「天然ウランは0.7%しか今使えない。99.3%はごみ。これがごみなのか燃料なのかということで、我が国の今後のエネルギー需給、根本的に変わってしまう」

と、天然ウランには核分裂を起こすウラン235が0.7%しか含まれず、濃縮して原発の燃料に使用していることを指摘。その上で、

「我が国の日米原子力協定は、2030年まで核兵器を持たざる我が国に対して濃縮と再処理を認めている唯一の国。これは国際原子力機関(IAEA)でもそう。この意味は、日本がどういうふうに世界から思われているかということと大変大きな意味を持つ。こういう中で、我が国が原子力の、もちろん安全を前提としながらも、原子力路線を放棄してしまうことが本当にいいのだろうかということを、こういう安全保障の目線からも是非お考えいただきたい」

と原子力協定のあり方について触れた。

   これに対して海江田万里経産相(当時)は、

「(FBR)サイクルを通じてそうした安全保障が確立をされるべきもの」

と、あいまいな返答をするにとどまった。

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