竹島(韓国名・独島)問題に端を発する韓国での日本製品不買運動は、結局はかけ声倒れで終わりそうだ。当初から、経済的悪影響を懸念する国内メディアからも冷ややかな目で見られており、市民からもほとんど支持を得られていないというのが実情のようだ。
不買運動は、「竹島の日」にあたる2013年2月22日に島根県で開かれた式典で、政府が政務官を派遣したことに抗議するのが目的だ。具体的にはマイルドセブン、アサヒビール、ユニクロ、トヨタ、ソニー、ダイソーといった日系ブランドがターゲットにされ、独立運動記念日の3月1日には、社名やブランドロゴが書かれたパネルに生卵を投げつけるパフォーマンスも行われた。
対日貿易依存度高いので「反韓感情を大きく呼び起こす愚を犯してはならない」
不買運動を呼びかけているのは、小規模個人店主などでつくる「路地裏商店街保護消費者連盟」で、傘下団体や関連団体を含めると約600万人が加盟するとされる。このことから、実際に不買運動が始まる前の段階では、日韓の貿易に少なくない影響を与えるとみる向きもあった。
この不買運動については、2月末の段階で、韓国メディアからは批判的な声が相次いでいた。例えばソウル新聞は、韓国の対日貿易依存度が高いことなどを理由に、2月27日の社説で
「日本内の反韓感情を大きく呼び起こす愚を犯してはならない。独島を守ろうとする愛国心を悪いとすることはできないが、経済と分離する冷静さだけは失ってはならない」
と説いた。地方紙からも同様の声が出ており、大邱(テグ)市の嶺南日報は
「不買運動を長期的に広げるならば相当な損失を覚悟しなければならない」
と、やはり経済的影響を懸念した。