石炭火力増設で環境省-経産省が綱引き
火力が増える中での削減努力は茨の道だが、環境省では、
「我が国の優れた環境技術を活かした攻めの地球温暖化外交戦略の策定や、低炭素社会を創出するためのファイナンス・イニシアティブ、浮体式洋上風力発電の実証事業、蓄電池による風力発電等の出力安定化等の施策を通じた自立・分散型のエネルギー社会の構築、それから、フロン類の一層の排出抑制のための法改正などを進めていきます」
とコメントしている。それ以外にも、再生可能エネルギーの普及促進などを進めたい考えだ。
このような背景もあって、火力発電所増設をめぐる経産省と環境省の綱引きが表面化している。すでに東京電力は火力発電所増設に向けて13年2月に入札の受付を始めたが、成立するかは予断を許さない状況だ。
火力増設は廃炉となる福島第1原発1~4号機(事故前の出力計約280万キロワット)の代替電源を新設することが目的で、原発に代わるベース電源(24時間稼働の基礎電源)を想定している。すでに13年2月に説明会を実施済みで、5月24日に入札を締め切り、7月下旬に落札企業を決定し、原発並みに安価な電源を確保したい考えだ。落札総額は数千億円規模に達すると見られる。