「リア充」化し、ポジティブな書き込みが当たり前に
こうした変化の背景にあると思われるのはネットの「リア充」化だ。
「恋人や多くの友人がいるなど、現実(リアル)が充実している人」を指すリア充という言葉は、ネットユーザーとは正反対の存在と捉えられてきた。しかしITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「去年ごろから、顕著に空気が変わり始めた」と指摘する。
「昔のネットは、2ちゃんねるが『馴れ合い』を禁止するなど、『殺伐』をよしとするところがあった。それがスマートフォンの一般化で誰でもネットをするようになり、またタレントブログの影響もあって、ポジティブな書き込みが当たり前になった」
そしてこうしたポジティブな書き込みの中でも、最も他人と共有しやすいのが「感動」だと井上氏は指摘する。特に「感動」好きは、LINEなどの主利用層である若者の特徴でもあるという。「リア充化したネット」での「感動」の氾濫は、そんな状況の産物だと井上氏は見ており、「しょうがないとはいえ、昔からのユーザーからすると『世界が違う』って感じですよね」と苦笑した。