「最近のLINE、ツイッターユーザーには付いていけない」――かつて日本の「ネットユーザー」代表だった2ちゃんねらーから、最近そんな嘆きが聞こえてくる。
「女の子、彼氏さんのことを 大事にしていますか? (中略)男の子は意外と心配性なんです ただ一言『大好き』 そう言ってもらうだけで 嬉しくなるの。だから今 意地を張っている子は 気持ちを素直に 伝えてあげてください」
「男なら女の笑顔と体守り抜け。女は絶対に力では男に勝てないの。男から女を守れるのは やっぱり男なんだよ。怖い思いさせちゃったなら たくさんの愛と優しさで 抱きしめてあげてね」
「#感動したらRT」でデマも広がる
これらはLINEで人気の文章として、2ちゃんねるで紹介されたものの一部だ。なんのてらいもなく、長々とただストレートに恋愛話を書き連ねている。何の面白みもないということかもしれない。
2ちゃんねらーたちは「マジでこういうの読むと頭痛くなる」「何処を斜め読みすればいいの?」とまったく理解できない様子だったが、LINE上では「感動したぁ(>_<)」などとたいへん受けているという。
「#感動したらRT(リツイート)」
「感動した人は回してください!!!!!」
ツイッターやLINEには今や、上記のような一文がそえられた「いい話」があふれている。多いのは母親や恋人などの死をテーマにした「お涙頂戴」の小話や、あるいはちょっと泣かせる「名言」の類だ。しかしよく見れば、何年も前に書き込まれたコピペの改変や、都市伝説まがいの怪しいものも少なくない。
中には明らかなデマもある。「東日本大震災で亡くなった少女から母への、最後のLINEメッセージ」を称する画像が2012年末、ツイッターなどで爆発的に広がったが、LINEが誕生したのは震災後の11年6月だ。
にもかかわらず、こうした投稿は「感動。゚(゚^ω^゚)゚。」「まぢで泣ぃた」といったコメントとともに、半ば「不幸の手紙」式に拡散を続ける。「情強(情報強者)」を美徳とし、斜に構えた態度が当たり前だった一昔前のネットでは、ほとんど見られなかった光景だ。