営業規制の緩和や税制が課題
一方、JPXの斉藤惇・最高経営責任者(CEO)は、総合取引所との統合には慎重姿勢を崩していな。JPX自体が上場企業となったからには、収益面から、前のめりになれないのだとみられる。
統合した場合、システム運用コストの削減はとりあえずのメリットとしてわかりやすいが、「商品先物市場活性化のめどが立たなければ合流しても、結局はお荷物を背負わされるだけ」(JPX関係者)と、警戒しているのだ。
斉藤CEOが「総合取引所は国家戦略としてやるべきだ」と強調しているのも、商品市場の営業規制などの問題を指しているとみられる。具体的に、一つの取引口座で証券と商品の取引をできるようにしたり、それぞれの損益を合算できるようにしたりするなど、「規制緩和や税制など市場振興策が不可欠」(市場筋)との指摘がある。
一方、東証取を所管する経産省にはJPXに吸収合併されるのを嫌い、海外の取引所との提携を進めるべきだとの考えがあり、総合取引所への道筋は簡単には描けそうもない。