「総合取引所」の実現がすでに閣議決定
そこで最大の注目点は、東京証券取引所と大阪証券取引所が統合した日本取引所グループ(JPX)との連携だ。
実は、株式から商品先物までまとめて扱う「総合取引所」の実現は、2月11日閣議決定された緊急経済対策にも盛り込まれている。政府は昨年のうちに、総合取引所が実現した場合は、旧来の取引所によって各所管省庁に分かれていた監督権限を、基本的に金融庁に一本化する法改正も実施済みだ。
先物は商品と金融分野を分け隔てなく扱うのがグローバルスタンダード。為替相場や金利、商品を同一取引所で扱えば、価格の変動リスクを軽減するうえで、企業や投資家の利便性が高まる。
実際、JPXは3月中に策定予定の中期経営計画に商品分野への進出を盛り込む方針という。傘下の旧大阪証券取引所の東京証券取引所との統合にあたり、名称を「大阪取引所」としたのも、将来は商品先物を扱う含みとされる。
総合取引所となれば、実質的に東商取がJPXに合流する形になるとみられる。東商取の江崎格社長は「最大の経営課題。コスト削減や企業価値向上の観点から、今年半ばまでに判断したい」と話し、検討を急ぐ姿勢を示してはいる。