東急東横線渋谷駅「最後の日」、別れ惜しむ人々で大混雑 「鉄道ファン」ほか一般人も撮りまくり

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「通路は立ち止まらずお進みください!」「降車ホームでの撮影は禁止です!」

   東急東横線・渋谷駅で駅員らが声を張る。2013年3月15日、この日をもって役目を終える駅舎には、最後の姿を見ようと多くの人が詰め掛け、通勤ラッシュをはるかに上回る大混雑となった。

「通路開けてください!お客様通してください!」

カメラを掲げるファンでごった返す東横線渋谷駅構内
カメラを掲げるファンでごった返す東横線渋谷駅構内

   現在の東急東横線の渋谷駅は15日深夜1時前、上りの最終電車の到着を待って営業を終了する。地下鉄・副都心線と直結させるためで、16日5時の始発からは、地下5階の新しい渋谷駅に移る。線路が地下にもぐり、新しいプラットホームでの運用となる。

   15日夕方、記者が東横線渋谷駅正面改札に足を運ぶと、デジタル一眼レフカメラにズームレンズを備えた重装備の「撮り鉄」とみられるファンが多く集まり、駅は通勤ラッシュをはるかに上回る混雑具合になっていた。

   電車が入ってくるたびにカメラを誰よりも高く掲げ、「最後の勇姿」をおさめようと夢中なファンらに、

「通路開けてください!お客様通してください!」「写真撮られる方ははみ出さないでください!」

と、普段よりもかなり多く配置された駅員・警備員らがほとんど悲鳴のような声で繰りかえしていた。

   「みなさん写真撮ってますけど、今日何かあるんですか?」―――人を掻き分け電車に座ると、東京に出てきたばかりという女性に、関西弁まじりにこう問いかけられた。とくに撮影しにきた風でもない普通の人も、やはり一度は立ち止まって携帯のカメラをかまえるなどしていて、構内の様子は事情を知らない人にとっては「異常」に映ったようだ。

   ただ、撮影していたファンのマナーが極度に悪かったかといえばそうではない。

   東横線では2004年、桜木町駅廃止の際にマナーの悪い「葬式鉄」が話題になり、今回の営業終了に際しても同じ事態が起こるのではと危惧されていた。

   東急電鉄では2013年3月14日、「駅構内や電車を撮影する際のお願い」をホームページに掲載、「フラッシュ使用、立入禁止区域での撮影等、列車運行に影響をおよぼす行為について禁止します。三脚および脚立等の使用しての撮影は禁止します」と呼びかけていたが、記者が見た限りでは、少なくともこうしたルールは守られていたようだった。

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