安倍晋三首相のフェイスブックが「絶好調」だ。毎日新聞に載った自らへの批判記事を「トホホな記事」「印象操作」「(笑)」などと思い切り皮肉った。今までの首相にはなかったストレートな物言いと軽妙な文体が、ネット界隈のファンに大うけだ。
ターゲットになったのは、毎日新聞の2013年3月13日朝刊だ。同紙は「首相『東京裁判は勝者の断罪』 米から批判の可能性」との見出しで、首相の歴史認識をめぐる発言への批判記事を掲載していた。
「東京裁判、勝者の裁き」発言に「米から批判も」
安倍首相は12日の衆院予算委員会で、
「先の大戦においての総括というのは、日本人自身の手によることではなくて、東京裁判という、言わば連合国側が勝者の判断によって、その断罪がなされたということなんだろうと思う」
と答弁、第2次世界大戦後の「東京裁判」が、いわゆる「勝者の裁き」との歴史観を示した。
翌日の毎日新聞はこの発言を、渋面を作った安倍首相の写真付きで取り上げた。記事中では「米国内」で安倍首相の歴史認識に「懸念の声がある」ことを紹介した上で、
「今回の東京裁判に関する発言が日米関係に影響する可能性もある」
と批判的に紹介した。
この「米から批判の可能性」というところが、首相にはカチンと来たようだ。さっそく14日、フェイスブック上には痛烈な反論文が掲載された。その内容は、
「記事を読むと、私の発言そのものに対する評論をするわけではなく『これだと連合国側(とくに米国)が怒るかもしれない』という何ともトホホな記事内容です。掲載の写真は我が顔ながらムズカシイ顔をしています(これも印象操作でしょうか)
かつては『その発言には、中国が怒るかも知れない!』と言って中国大使館への告げ口が流行ってましたが・・今度はアメリカですか(笑)」
といったもので、毎日の記事を「トホホな」内容と一刀両断、米国の名を借りての批判を、「告げ口」と皮肉ってみせた。