「原発回帰」安倍政権 再稼働の行方(5)
原発を止めたままだと国民生活に影響出てくる
みずほ総研エコノミスト・徳田秀信さんに聞く

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太陽光は高コストで技術革新が必要だ

―― 再生可能エネルギーの発電装置が普及して多く製造されるようになると、スケールメリットで価格が下がるのではないでしょうか。

徳田 再生可能エネルギーの中でも、風力発電といった比較的低コストなものについては導入を促進するのが望ましいと考えます。ですが、太陽光は高コストなままで問題があります。太陽光のコストを火力並みまで下げるにはスケールメリットだけでは不十分で、技術革新で新しい方式に移行しないと難しいでしょう。

―― こういった状況は、製造業が国外に拠点を移し、国内の産業空洞化を後押しすることにもなりませんか。

徳田 製造業は市場が海外にあるため、市場の近く、つまり海外で生産を行っているケースも多いです。電気代値上げで、その流れが「もう一押し」となる可能性はあります。今は円安になっているので人件費などを含めた国内での製造コストの高さは多少緩和されている面もありますが、やはり電気代の値上げはジワジワと効いてくると思います。

徳田秀信さん プロフィール

とくだ・ひでのぶ 1983年東京都生まれ。2006年東京大学経済学部卒業、みずほ総合研究所入社。2007年から2年間内閣府へ出向し、経済財政白書や月例経済報告の作成に携わる。現在は日本経済の計量分析や消費・雇用動向の調査を担当。

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