SNSに不適切な書き込みをして批判が殺到する「炎上」が、中国でも起こっている。村の幹部が農地を無断で貸し出したことに怒った農民が村を事実上占拠していたのだが、事態の沈静化を図った武装警察が突入して鎮圧した。
ところが、武装警察のメンバーとみられる男性が、中国版ツイッターにあたる微博(weibo)に、その時の様子を「ほんとにエキサイティングだった」と喜々として書き込み、批判が殺到。所属の警察署や過去の不適切な行動まで暴かれてしまった。
全人代の期間中なので急いで鎮圧を試みる
舞台になったのは、広東省の掲西県上浦村。村長が2013年1月、農地を50年にわたって賃貸する契約を無断で結んだことが発覚し、農民が抗議行動を展開した。2月になって村長は刃物や短銃を持った暴漢数十人を雇って村に乱入したが、村民約3000人が返り討ちにした。
県の政府は村長に契約を撤回させて身柄を拘束したものの、それでも村民は収まらず、村長の選挙を求めてバリケードを築き、立てこもる状態が続いてきた。
全国人民代表大会会期中(全人代)の最中で、騒乱は速やかに解決しなければ当局のメンツにもかかわる。こうした背景もあって、3月10日未明に武装警察2000人が突入。催涙弾を打ち込むなどして、翌3月11日までに鎮圧された。
この様子を外国メディアも広く報じ、実力行使をするという判断が批判される結果になった。
「勝利の帰還。実に刺激的だった」
さらに当局のメンツを潰しそうなのが、この警官の微博への書き込みだ。その内容は、
「勝利の帰還。実に刺激的だった。投石を受けながら、閃光弾、ゴム弾、催涙弾を発射。本当に刺激的。でも疲れた。被害なしで戻って来れたのはよかった」
というもの。この利用者は自らの制服、ヘルメット姿の写真も公開しており、鎮圧にかかわった武装警察の一員である可能性が高そうだ。
これだけでも不適切な書き込みだとして批判が相次いだが、過去の書き込みでは、ギャンブルで大負けした過去や、真偽は不明ながらもカジノから警察が「テラ銭」を受け取っていた、といった内容が発掘され「火に油」状態に。
すでに問題となった書き込みは削除されたが、書き込まれた内容は画像ファイルとしてネット上に拡散しており、所属警察署などに抗議の「電凸」などが行われる可能性もある。