敷地内で働く人数は通常の3分の2~4分の3程度
実は、原発は運転しているときよりも定期検査の時の方が忙しい。13年2月1日時点で、敷地内で働いているのは4657人。そのうち1200人が東電社員で、残り3457人が協力会社、いわゆる「下請け」だ。事故前は社員と下請け合わせて6000人~7000人が働いていたが、今は3分の2~4分の3の水準に落ち込んでいる。この人数には防潮堤建設などに携わる人も含まれており、これらの工事が一段落すれば3200人程度まで減少する見通しだ。
社員の数は原発の状況にかわらず一定だが、変動するのが下請けの人数だ。内訳も大きく変動した。事故前は定期検査に携わる原子力関連の技術者が多かったが、事故後は建設業関係者が増えたという。確かに、防潮堤の建設や鉄塔の耐震強化工事など、原発敷地内のあらゆる場所が工事現場になっていた。
定期検査は13か月に1回行われ、2~3か月かかる。7つのプラントがある柏崎刈羽原発では、通常では常時どこかで定期検査を行っているのに近い状態だったという。
東電の広報担当者は、
「定期検査に携わる人は、通年で原発に勤務しているケースが多い。広い敷地なので車で移動するが、敷地をすれ違う車の数からしても、やっぱり『少ないな』という印象がある」
と話し、やはり人数が少なくなっている実感があるようだ。確かに、構内ですれ違った車は見学者用バスや軽トラックなどせいぜい10~15台程度で、かなり少ない印象だった。