また「バブル」がやってくるのか 株上昇止まらず、土地も動く?

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   株価の上昇が止まらない。2013年1月に、いったんは調整に入ったかに思われたが、2月以降は右肩上がりの上昇が続いている。衆議院が解散した2012年11月16日に9024円16銭だった日経平均株価は、わずか約4か月で3000円超(37.5%)も急騰した。

   2月に甘利明経済財政・再生相が「3月末には1万3000円台を目指す」との異例の発言があったが、その目標値はおろか、強気なエコノミストがいう1万5000円もありそうな勢いだ。

「アベノミクス」ムードだけで3000円超押し上げ

株価、「アベノミクス」ムードだけで3000円超上昇
株価、「アベノミクス」ムードだけで3000円超上昇

   3月11日の東京株式市場は8日続伸。日経平均株価が取引時間中に1万2403円95銭を付けて年初来高値をまた更新し、終値は前週末(8日)に比べて51円15銭高の1万2334円77銭で引けた。引き続き円安による業績改善が期待される輸出株や、金融緩和の恩恵を受けやすい金融株、不動産株などが上昇した。

   安倍政権が発足してまだ3か月というのに、「大胆な金融緩和」を旗印に脱デフレを打ち出した経済政策、「アベノミクス」の効果で円相場が急落し、それに伴い株価が急上昇している。

   当初こそ、円安に敏感に反応した自動車や電機など輸出株が先行して上昇していたが、最近ではしだいに内需株に波及。卸・小売業や不動産株なども値上がりしている。

   なかでも、週刊ポスト(2013年3月22日号)では、「アベノミクスで潤う『土地持ち企業株』を狙え」の見出しで、「土地持ち企業株」に注目した。デフレ下では不良債権だった土地・不動産がインフレ転換で「強み」に変わると指摘。そこでは「(1980年代後半の)バブル期にも同様の動きがあった」としている。

   また、不動産投資信託(REIT)市場の投資収益指数を表す東証REIT指数は、3月11日に前週末比35.62ポイント(2.60%)高の1407.28ポイントとなり、3か月前と比べて359.60ポイント(34.3%)も上昇。右肩上がりが続いている。

   とはいえ、個別企業の株価をみると、たとえば赤字に苦しむ電機株でさえ急騰するほどの過熱ぶり。

   「アベノミクス」はまだはじまったばかり。第一生命経済研究所・経済調査部首席エコノミストの嶌峰義清氏は「大胆な金融緩和もTPP参加も、市場はすべて織り込み済み」で、いわば「やってくれるだろう」という期待感だけで円安株高が進行している。

   まさに「バブル」の状況というわけだ。

米国の景気回復がカギ握る

   「期待値」だけで1万3000円が見えてきたなか、強気なエコノミストは、「1万4000円」「1万5000円」を予測する。しかし、そんな状況がいつまでも続くのだろうか――。

   前出の第一生命経済研究所の嶌峰義清氏は、「今年末に1万4000円台までは、どうでしょうか」と、やや否定的だ。

   気になるのは消費増税の影響。「駆け込み需要がどの程度見込めるのか、見極めたいという投資家は少なくないでしょう。また、その反動も気になると思います」と指摘。個人投資家が慎重になるとみている。

   嶌峰氏は「1万4000円、1万5000円と株価が上昇するには、中長期で投資しやすい環境が前提になります」と話す。そのためには、「海外市場、なかでも米国景気が本格的な回復基調に入る必要がある」とし、13年後半にはそうなると予測する。

   消費増税の影響で国内の企業業績が一時的に悪化しても、米国景気がけん引してくれれば、「それほど大きく値を下げることはない」という。

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