児童ポルノの単純所持も禁止しようと、自民、公明両党が改正法案を今国会に提出する方向と一部で報じられ、ネット上で不安の声が相次いでいる。遠隔操作ウイルス事件での誤認逮捕などが問題になっているからだ。
「人をハメる犯罪が頻発するぞ」「別件逮捕し放題www」
違反すれば懲役や罰金と報じられる
児童ポルノ法改正の方向と日経新聞が2013年3月10日に報じると、ネット上ではこう懸念する声が次々に上がった。
その記事によると、改正案では、個人の趣味で18歳未満の性的な画像などを収集する単純所持を禁止し、違反すれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科す。自公両党は、他党にも賛同を呼びかけるというのだ。
児童ポルノを巡っては、両党から09年に単純所持禁止をうたった改正案が出され、ネット上で騒ぎになった経緯がある。その後も、民主党が11年に児童ポルノを繰り返し購入することを罰する取得罪を提案したが、いずれも廃案になっていた。
自民党が総選挙で圧勝した今、ようやく法改正に本腰を入れたのか。
自民党法務部会の担当者は、取材に対し、「まだ決まっていません。内容もまだ分からないです」と答えた。真相ははっきりしないが、この問題に詳しい奥村徹弁護士は、ブログで3月11日、自民党が11年にまとめたような案が出てくるのではないかと推測した。
それは、民主党案とは違って、単純所持全般について処罰する厳しい内容だ。さらに、アニメやゲームなどの準児童ポルノは規制しないものの、被害を誘発する可能性があるとして政府が調査・研究することをうたっていた。
日本は児童ポルノの規制が国際的にも遅れているとされ、奈良県のように自治体独自で単純所持の処罰を盛り込むケースも出てきてはいる。しかし、遠隔操作事件をきっかけに、誤ってダウンロードしたり、添付したメールが送られたりしたときはどうするのか、と不安の声は根強いようだ。