反対運動も激しく「とにかく手を挙げてもらわなければ…」
しかし環境省の担当者は、あくまでこの出費は必要なものだったと強調する。
「確かに今でこそ広域処理への協力も広がっているが、この枠が設けられた12年春当時は一部市民の反対運動も激しく、受け入れを表明した自治体には脅迫めいた電話がかかってきたぐらい。当時の状況を思えば、受け入れ可能な環境を作るため、こうした『飴』をちらつかせてでもとにかく『手を挙げてもらう』ことが最優先だったんです」
なお今から「返せ」と言い出せば、すでに交付金を受け取ることを想定して予算を組んでいる自治体側に支障が生じること、また「あくまで使い道は、交付金の本来の趣旨であるゴミ処理施設の整備ですので」といった理由から、返還請求などは行わない予定だ。
担当者は「無駄遣い」との批判に対して、終始どうにも納得しかねるという様子だった。
「見通しが甘かった、との批判は甘んじて受けますし、もちろん現状から見れば皆さんそう思うでしょうが、あのときはそれほどしなくてはならない状況で……」