「免震j重要棟」は10年1月に運用開始
防潮堤以外にもハード面だけで震災以降に50項目以上の対策を進めており、大半が13年の上半期までには完了するという。
例えば海抜35メートルの高台には、外部電源が失われ建屋のディーゼル発電機も使えなくなった場合に備えて、ガスタービン発電機を積んだトラックや電源車を配備。5万リットル入りの軽油タンクも3つ建設した。これで発電に必要な燃料2日分をまかなうことができ、時間を稼いでいる間にタンクローリーで外部から燃料を持ち込む段取りだ。海抜45メートルの場所には約2万平方メートルの水を貯められる池もつくった。
プラント7つの耐震強化工事は12年9月に完了しており、福島第1原発でも活動拠点になっている「免震重要棟」は10年1月に運用が始まっている。津波やプラントの爆発でがれきが飛び散ったときのために、高台にショベルカーなどの重機も配備した。
一連の対策には約700億円を投じているが、再稼働のめどはまったく立っていない。再稼働には、13年7月にも法制化される見通しの原子力規制委員会の新安全基準をクリアすることが必要だが、柏崎刈羽原発がこれを満たせるかが不透明だからだ。焦点になっているのは大きくふたつ。