フジ&ナイナイ岡村「ネット進出」大丈夫? 低視聴率テレビからの「脱出」なるか

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   ナインティナインの岡村隆史さんが、ネット配信限定の新テレビ局「ゼロテレビ」を2013年3月27日立ち上げると発表し、世間を驚かせている。

   最近ではロンドンブーツ1号2号の田村淳さんも「ニコニコ動画専属のタレント」となることに意欲を見せたことが話題になったばかりだ。テレビ不振が続く中、お笑い芸人たちのネット進出はうまく行くのか。

岡村CEOで「ゼロテレビ」発足も…?

3月7日設立が発表された「ゼロテレビ」。テレビ離れ打破の起爆剤になるか
3月7日設立が発表された「ゼロテレビ」。テレビ離れ打破の起爆剤になるか

   ゼロテレビは岡村さん自らがCEOを務める「日本一小さくて、日本一新しいテレビ局」。「正社員」は岡村さん1人で、今のところ企画は岡村さんが出演するトーク番組1本のみ。公式サイトを見る限りでは、番組はYouTubeのライブ配信機能などを使って無料で放送するようだ。7日に岡村さんが自ら記者会見で話したところによれば、視聴率、スポンサー、さらにルールや慣例ともに「ゼロ」の状態から、ネットならではの可能性、そしてテレビの楽しさの「原点」を探るとしている。

   もっとも、一部報道ではさも岡村さんが自主的に「新テレビ局」を立ち上げたかのように書かれているが、実際に今回の企画を主導しているのはフジテレビだ。そもそもゼロテレビのウェブページはフジの公式サイト内にあり、スタジオも「間借り」としてフジ本社の一室を使用、スタッフも「手伝い」という形でフジから出る。

「要するに、フジの企画ということですよね?」(J-CASTニュース)
「まあ……厳密に言えば……」(フジテレビ広報部)

   とはいえこうした「試み」にゴーサインが出るほどに、エンタメ業界でネットの存在感が高まり、またテレビの側に危機感が出ていることは事実だ。

   今年に入って視聴率20%を超えたバラエティーは、なんと「笑点」(1月6日、日本テレビ系)、「ぐるぐるナインティナイン」(1月10日、日本テレビ系)の2本しかない。岡村さん名義で発表されたゼロテレビの設立趣意文でも、

「ご存知のようにテレビ業界は現在、多様化する各種メディアの中で、ひとつの大きな節目を迎えています。ただし本来ならば、新しく生まれ変われるチャンスでありながら、イノベーションが劇的に起きているとは言い難い状況です」

とその苦境を認める。

ニコ動「専属」真剣に考えたロンブー淳

   実際、ロンブーの田村淳さんは一時期、テレビから離れ「ニコニコ動画」専属として食べていけないかを考えていたことを、13年1月発売の「別冊カドカワ」対談で明かしている。淳さんは10年以来ネット上で個人製作の番組を放映、ニコニコ生放送では今や登録ユーザー数は8万5000人超、番組の累計再生数は100万回を突破するほどの人気を誇る。所属する吉本興業を通じ、ニコニコの運営会社から「ギャラ」を受け取るという形を考えていたといい、会社と淳さんの「取り分」まで話が進んでいたようだ。

   閉塞感漂うテレビでくすぶっているぐらいなら、いっそネットに活路を――というお笑い芸人が出てきても不思議はない。実際に淳さんは上記の対談で、「テレビじゃなくても表現できる場所あるんだから、いろんなところでいろんなことをやればいいじゃん!」と後輩芸人にハッパをかけている。

   とはいえ、対談中にもあるように、ネットを通じて芸人たちが生計を立てる仕組みは今のところ確立されていない。また淳さんにしろ、前述の岡村さんにしろ、ネット住民からの「炎上」は何度となく経験している。ゼロテレビを主導するフジに至ってはなおさらで、「テレビを捨てたお笑い芸人」がネットに受け入れられるかは、今のところ未知数だ。

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