ニコ動「専属」真剣に考えたロンブー淳
実際、ロンブーの田村淳さんは一時期、テレビから離れ「ニコニコ動画」専属として食べていけないかを考えていたことを、13年1月発売の「別冊カドカワ」対談で明かしている。淳さんは10年以来ネット上で個人製作の番組を放映、ニコニコ生放送では今や登録ユーザー数は8万5000人超、番組の累計再生数は100万回を突破するほどの人気を誇る。所属する吉本興業を通じ、ニコニコの運営会社から「ギャラ」を受け取るという形を考えていたといい、会社と淳さんの「取り分」まで話が進んでいたようだ。
閉塞感漂うテレビでくすぶっているぐらいなら、いっそネットに活路を――というお笑い芸人が出てきても不思議はない。実際に淳さんは上記の対談で、「テレビじゃなくても表現できる場所あるんだから、いろんなところでいろんなことをやればいいじゃん!」と後輩芸人にハッパをかけている。
とはいえ、対談中にもあるように、ネットを通じて芸人たちが生計を立てる仕組みは今のところ確立されていない。また淳さんにしろ、前述の岡村さんにしろ、ネット住民からの「炎上」は何度となく経験している。ゼロテレビを主導するフジに至ってはなおさらで、「テレビを捨てたお笑い芸人」がネットに受け入れられるかは、今のところ未知数だ。