連合の存在意義が問われかねない事態に
人事コンサルタントの城繁幸さんは、古賀伸明会長の発言について、こうみている。
「賃上げの動きは、政治的パフォーマンスだとみて言っているんだと思います。アベノミクスで企業に若干利益が出たとしても、人件費が上がるとほとんど意味がありません。本来なら、景気がよくなって初めて賃金が上がるものですから。古賀さんは、今回の動きが茶番だと分かって、ああ言っているのではないですか」
とはいえ、自民党が労組の役割を演じてしまえば、自分たちの存在意義がなくなることになりかねない。支持政党の民主党は、維新の会などとの連携をにらんでか、細野豪志幹事長が連合に距離を置く発言もしている。
そんな中で、連合の立場がますます悪くなる可能性も出てきたのは事実だ。
城繁幸さんは、連合の今後について、こう言う。
「もともとそんなに存在意義があったとは、私は考えていません。連合も1枚岩ではなく、寄り合い所帯に過ぎず、権力もそれほどないとみられます。加入者が減っているのも、役に立っていない面があるからでしょう。今回の動きから、そのことが分かっていいとさえ思っています。むしろ、解雇規制の緩和が進み、労働市場の流動化が進むと、企業横断的な労組として役に立つ可能性が今後はあるのではないでしょうか。それができなければ、今度は存在意義を問われることになると思います」